正しい知識を身につける

更新日:2024/03/15

もしやけどになってしまったら

まずは患部を冷やすことが大切なので、水道水を患部に当て15~30分ほど冷やしましょう。この時、服は着たままで構いません。無理に脱ごうとすると服がはりついて皮膚や水疱が破れてしまいます。水疱が破れると痛みが増し、治るまでの時間も長くなります。アイスパックで直接患部を冷やす場合もありますが、長時間当てていると凍傷になる恐れがあるので気を付けてください。
患部を冷やした後は水疱を破らないように清潔なガーゼやタオルを当て、医療機関を受診しましょう。自己判断で薬を塗る人もいますが治療の妨げになるので、患部を冷やす以外は何もせず、医師の指示に従ってください。患部が腫れることもあるので、指輪などのアクセサリーは外しておいたほうがいいでしょう。
低温やけどは大体1週間程度で症状が現れます。ヒリヒリしている場合は応急処置として水道水で冷やしても構いませんが、重症化しやすいのでなるべく早めに医療機関を受診することをおすすめします。

もしやけどになってしまったら

軽く見てはいけない

「やけどの面積が小さい」「赤くなっているだけで水泡がない」といった場合は深度が浅めなので数日で治るでしょう。しかし、見た目より症状が進行している可能性もあります。適切に処置しなければ跡が残ってしまうので、素人判断せず、症状が軽くても念のため、医療機関を受診することをおすすめします。
手足や顔、陰部などのやけどは範囲が小さくても入院が必要になるケースもあるので、小さなクリニックではなく入院設備のある総合病院を受診してください。

手当ての仕方を段階ごとに紹介

応急処置の後はやけどの深度に応じて適切に処置することが大切です。やけどは深度や面積によってⅠ度、Ⅱ度、Ⅲ度の3段階に分類されます。
Ⅰ度は患部が赤くヒリヒリした状態で、数日で治る程度のやけどです。応急処置後の処置は特にありません。
Ⅱ度は患部が赤く水泡ができ、強い痛みが伴うやけどです。水泡が小さい場合は患部を適度に湿らせるために融解性基剤の外用薬を塗り、水泡が大きい場合は内容物を吸収して消毒し、創傷被覆材や生体包帯で患部を保護します。
Ⅲ度は患部が褐色や白色、または黒色に変化し、神経まで損傷したやけどです。必要に応じて手術などの外科処置を行います。
重度のやけどの場合、上記の方法に加え、輸液による低容量性ショック回避、人工呼吸器による呼吸管理、感染管理なども行います。
低温やけどは1週間後に皮膚の変化が起こる場合が多いのですが、壊死が生じた場合は組織除去を行い、状況に応じて軟膏を塗布し、乾燥を防ぎながら上皮化するのを待つしかありません。

介護士におすすめのやけど防止に関する記事