防寒対策のカイロなどでやけどする人が多発

更新日:2024/03/17

高齢者は重症化しやすい

加齢とともに皮膚の神経細胞の数が減り、温度や痛みを感じにくくなります。その結果、やけどしたことに気付かず、知らないうちに重症化しているケースも少なくありません。また、皮膚本来の機能も低下しています。薄くなって傷付きやすい状態なので、少しの外的刺激でも重症化しやすい上、治癒力も低下しているため、治りにくいケースが多いようです。

高齢者は重症化しやすい

暖房器具や防寒グッズの誤使用が多い

高齢者は感覚が鈍くなっているのでやけどしていることにすぐに気付けません。重症化するケースも多いのですが、特に気を付けたいのは「低温やけど」です。低温やけどは通常のやけどとは異なり、本人も気付かないうちに症状が進行し、数日後に痛みが現れます。
寒くなると湯たんぽやカイロなどの暖房器具や防寒グッズで暖を取る高齢者も多いのですが、使い方を誤り、低温やけどになるケースも少なくありません。カイロを長時間はったままにしたり、電気カーペットやコタツを点けたままで寝たり、などが多いようです。低温やけどは深部で炎症を起こしているため、表面上はそれほど酷いようには見えません。むしろ、軽傷に見えますが、見た目よりも重症化していることが多く、治るまで時間がかかります。
実際、カイロを腰にはって電気毛布をかけて寝たら、皮膚の深層部までやけどをしていた、という事例もあります。起床した時はやけどをしていることに気付かず、はっていたカイロをはがすと「痛い」と感じたので皮膚科を受診したら奥深くまでやけどをしていたそうです。
また、こたつで寝ていたらやけどをしてしまい、足の指を切断したという事例もあります。気付いた時には重症化しており、左手の親指と人差し指は切断、中指は皮膚を移植しなければならないほどのやけどだったそうです。

着衣着火によるやけどにも注意

仏壇のろうそくやガスコンロの火が服に燃え移ってやけどになるケースも多いので注意が必要です。これは、高齢者は目が悪くて火が見えにくいことが原因だといわれています。特に白内障の人はガスコンロの青い炎が見えにくいといわれているので気を付けてください。
袖の広い服や全体的にゆったりとした服は着火する危険性が高いため、火を使用する際は袖をまくるなどして着火しないように予防しましょう。また、冬は寒くて厚着している人も多いのですが、厚着していると火が移ってしまったことに気付きにくくなります。対処が遅れて重症化するケースもあるので、火を使用する際は十分に注意してください。

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